世界のマラソン大会には、格付けがあるのは知ってる?
マラソン大会の格付けと賞金にはある程度の関係があるんだ。
日本で一番有名なマラソン大会は東京マラソンだよね。
東京マラソンのは、賞金が出ることが明記されているんだ。
東京マラソンの公式ホームページを見れば載っている。
ちなみに東京マラソンで優勝すれば1,100万円が貰える。
賞金は1位から10位まででるんだ。
もし世界記録を出せばさらに3,000万円が貰る。
日本記録で500万円、大会記録では300万円なんだ。
この賞金には、マラソン大会の格付けがある程度関係している。
そこでマラソン大会の格付けについて説明したいと思う。
陸上競技の規則を整備し加盟団体の統括と世界的な競技大会の運営を担っているワールドアスレッチクス(World Athletics)は、マラソンやハーフマラソンなどのロードレースにロードレースラベルという格付けをしてる。
マラソン大会の格付け
ワールドアスレッチクス(World Athletics)というのは聞いたことがあるだろうか。
以前は、国際陸上連盟(International Association of Athletics Federations)略してIAAFと言っていた。
2019年11月11日にワールドアスレッチクス(World Athletics)略語「WA」という名称に変更された。
日本語では世界陸上連盟、略して世界陸連というんだ。
通常はワールドアスレッチクスと言っている。
ワールドアスレッチクスは、競技規則を整備し陸上競技団体の統括と世界の陸上競技大会の運営などをしている。
格付けの始まりは、2007年国際陸連がAIMS(国際マラソン・ディスタンスレース協会)と共同で設定したんだ。
AIMS(国際マラソン・ディスタンスレース協会)のことは別の機会に説明しるとして、簡単に言うと国際陸連の協力団体の一つだ。読み方は「エイムス」と読む。
ワールドアスレッチクスは陸上競技全般、AIMSは長距離専門といったところだ。
国際陸連は1912年、AIMSは1982年に発足している。
歴史的にはAIMSのほうが古い。
話を格付けに戻すと、設定した当時はゴールド(金)、シルバー(銀)、ブロンズ(銅)の3つのラベル(格付け)だった。
2018年に、ゴールドの上にプラチナができ、シルバーとブロンズが無くなり、エリートとラベルができた。
格付けの上から言うと、プラチナ、ゴールド、エリート、ラベルの順になる。
これらの格付けには、条件があるんだ。
その条件の主なものを下の表にまとめた。
選手の格付けは世界ランキングに基づく。(毎年、見直される)
2024年の主なプラチナ選手は、日本人では前田穂南一人だ。マラソン日本男子記録保持者の鈴木健吾は、以前はプラチナでしたが最近の成績が思わしくなくゴールドにも入っていません。
以下、日本人選手のゴールド選手です。
日本人選手のゴールド選手(2024年2月20日)女子 | 男子 | ||
氏名 | 所属 | 氏名 | 所属 |
細田 あい | エディオン | 山下 一貴 | 三菱重工 |
鈴木 亜由子 | 日本郵政グループ | 聞谷 賢人 | トヨタ紡織 |
新谷 仁美 | 積水化学 | 其田 健也 | JR東日本 |
上杉 真穂 | スターツ | 細谷 恭平 | 黒崎播磨 |
松田 瑞生 | ダイハツ | 大迫 傑 | Nike |
松下 菜摘 | 天満屋 | ||
加世田 梨花 | ダイハツ | ||
廣中 璃梨佳 | 日本郵政グループ | ||
佐藤 早也伽 | 積水化学 | ||
安藤 友香 | ワコール | ||
鈴木 優花 | 第一生命グループ | ||
大東 優奈 | 天満屋 |
ロードレースラベルの主な条件の中に最低賞金金が設定されている。
これがマラソン大会の格付けと賞金がある程度の関係があると言うことだ。
ロードレースラベル取得している日本のマラソン大会は次になる。
ワードレースラベル取得している日本のマラソン大会
ワールドアスレッチックス プラチナラベル
・東京マラソン
・名古屋ウィメンズマラソン
・大阪国際女子マラソン
ワールドアスレッチックス ゴールドラベル
・大阪マラソン
・ぎふ清流ハーフマラソン
ワールドアスレッチックス エリートラベル
・別府大分毎日マラソン
・防府読売マラソン
・福岡国際マラソン
・香川丸亀国際ハーフマラソン
ワールドアスレッチックス ラベル
・北海道マラソン
・神戸マラソン
世界の主なプラチナラベル取得のマラソン大会
・厦門国際マラソン(中国)
・ソウルマラソン(中国)
・ボストンマラソン(アメリカ)
・ロンドンマラソン(イギリス)
・シドニーマラソン(オーストラリア)
・ベルリンマラソン(ドイツ)
・シカゴマラソン(アメリカ)
・ニューヨークシティマラソン(アメリカ)
・上海国際マラソン(アメリカ)
・バレンシアマラソン(スペイン)
マラソン大会の賞金
マラソン大会の賞金は公式サイトに明記しているものとないものがあるけどロードレースラベルのエリート以上であれば最低賞金はあるはずだ。
日本のマラソン大会の賞金
東京マラソン
ラベル:プラチナ
開催月:3月
定員:38,000名(マラソン:37,500名 10.7㎞:500名)
参加費:マラソン 国内16,500円 海外160ドル
エリートとは
賞金を貰うにはエリート選手でないといけません。
東京マラソンのエリートの条件
(1) 次の①・②・③の条件を満たす競技者
①2023 年度日本陸上競技連盟登録競技者
②2024 年 3 月 3 日現在満 19 歳以上の者
③国内外の公認競技会で 2020 年 3 月 1 日以降申込期日までに下記の公認記録を出した者
男子マラソン 2時間21分以内、ハーフマラソン 1時間01分00秒以内、10000m 28分00秒以内
女子マラソン 2時間52分00秒以内、ハーフマラソン 1時間11分00 秒以内、10000m 32分00秒以内
(2)主催者または日本陸上競技連盟が推薦する男女競技者
(3)主催者または日本陸上競技連盟が招待する海外・国内男女競技者
名古屋ウィメンズマラソン
ラベル:プラチナ
開催月:3月
定員:約20,000名
参加費:マラソン 17,000円 チャリティー 22,000円
賞金:1位 $150,000
※以降、競技成績により賞金を別途定めます。
2023年の時の優勝賞金は、$250,000で世界一高い金額でした。2024年は$150,000に下がりました。
大阪国際女子マラソン
ラベル:プラチナ
開催月:1月
定員:なし
参加費:マラソン 15,000円
参加資格
マラソン:3時間07分以内
30㎞:2時間08分以内
ハーフマラソン:1時間25分以内
10000ⅿ:36分以内
日本陸上競技連盟が推薦する女性競技者
賞金:明記していませんが、「WAロードレースラベリング規定を適用する」とあります。
大阪マラソン
ラベル:ゴールド
開催月:2月
定員:エリート 300名 一般 32,000名
参加費:エリート 18,000円 一般 国内17,000円 海外19,000円
エリートの条件
男子:マラソン2時間28分00秒以内、ハーフマラソン1時間08分00秒以内、30㎞1時間40分00秒以内、20㎞1時間04分00秒以内、10000ⅿ31分00秒以内
女子:マラソン3時間00分00秒以内、ハーフマラソン1時間20分00秒以内、30㎞2時間02分00秒以内、20㎞1時間16分00秒以内、10000ⅿ35分00秒以内
賞金:明記なし
ぎふ清流ハーフマラソン
ラベル:ゴールド
開催月:4月
定員:10,000名
参加費:11,000円
参加資格:1部(日本陸連登録競技者)、2部(一般)
賞金:明記なし
ワールドアスレッチックス エリートラベル大会
・別府大分毎日マラソン
・防府読売マラソン
・福岡国際マラソン
・香川丸亀国際ハーフマラソン
賞金:いずれも明記なし
世界のマラソン大会の賞金
ボストンマラソン
国:アメリカ
ラベル:プラチナ
開催月:4月
定員:約30,000人
参加費:米国在住230米ドル、海外235米ドル
参加資格:定める期間内で年齢ごとに設定タイムをクリアした選手
ボストンマラソンは、プラチナラベルレースでありながら公認レースではありません。公認の条件の中に「スタート地点とゴール地点の距離が21.0975km以下、また、ゴール地点の標高がスタート地点の標高より42.195m以上低くなってはならない」とありボストンマラソンは、コースが直線的でスタート地点とゴール地点の標高差が124ⅿあるため公認されない。
ロンドンマラソン
国:イギリス
ラベル:プラチナ
開催月:4月
定員:約20,000人
参加費:英国在住120ポンド、海外146ポンド
参加資格:定める期間内で年齢ごとに設定タイムをクリアした選手
シドニーマラソン
国:オーストラリア
ラベル:プラチナ
開催月:9月(2024年)
定員:フルマラソン、10㎞、4.2㎞(全体で約40,000人)
参加費:国内170ドル、海外210ドル
参加資格:18歳以上
賞金総額:$10,000,000
ベルリンマラソン
国:ドイツ
ラベル:プラチナ
開催月:9月
定員:約50,000人
参加費:205ユーロ
参加資格:18歳以上
シカゴマラソン
国:アメリカ
ラベル:プラチナ
開催月:9月
定員:約50,000人
参加費:国内240ドル 海外250ドル
参加資格:18歳以上
※シカゴマラソンの賞金は、公式サイトには明記はなく最新の記事を探し調べた。タイムボーナスもあるようだが古いデータしかなくここでは省いた。
ニューヨークシティマラソン
国:アメリカ
ラベル:プラチナ
開催月:11月
定員:約50,000人
参加費:会員255ドル 非会員315ドル
参加資格:年齢によって資格タイムが設定
バレンシアマラソン
国:スペイン
ラベル:プラチナ
開催月:12月
定員:35,000人
参加費:登録順 1~10,000 80ユーロ、10,001~20,000 100ユーロ、20,001~30,000 140ユーロ、30,001~35,000 180ユーロ
海外 上記プラス5ユーロ
参加資格:年齢によって資格タイムが設定
ドバイマラソン
国:アラブ
ラベル:ラベル
開催月:1月
定員:35,000人
参加費:150米ドル
参加資格:18歳以上
ドバイマラソンの賞金は、当初(2009年)優勝が25万ドル(当時2500万円)、世界記録が100万ドル(当時1億円)だった。
その他の賞金
ワールドマラソンメジャーズ(WMM)
ワールドマラソンメジャーズ(WMM)とは、2年を1シリーズとして東京マラソン、ボストンマラソン、ロンドンマラソン、ベルリンマラソン、シカゴマラソン、ニューヨークシティマラソン、オリンピック、世界陸上選手権の1~5位にポイント付けそのトータルポイント上位に賞金を出す。
2015-16シーズンからアボット・ラボラトリーズがタイトルスポンサーに就任したため、アボット・ワールドマラソンメジャーズとなった。
マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)
日本陸連は、2023年7月7日に2023年10月開催のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の1位、2位、3位に賞金を出すことを発表した。
1位 1,000万円、2位 500万円、3位 250万円
MJCシリーズ
MJCシリーズとは、ジャパンマラソンチャンピオンシップシリーズのことで、ワールドマラソンメジャーズ(WMM)の日本版で、対象期間中に対象大会の2期分のポイントの上位8位までが賞金がでる。
1位600万円、2位300万円、3位100万円、4位80万円、5位70万円、6位50万円、7位30万円、8位20万円
まとめ
マラソン大会の格付けと賞金がある程度関係があることを説明してきた。
大会要項に賞金のことが明記されていなくても、ロードレースラベルのエリート以上を取得していると最低賞金金額を出すことになっている。
2024年の大阪マラソンで優勝した國學院大學の平林清澄選手は最低45,000ドルの賞金が出ているはずだ。
ロードレースラベルを取得してない大会でも賞金をだしているマラソン大会もある。
アラブのアブダビマラソンの優勝賞金は100,000ドルである。
マラソン大会の優勝賞金の金額が徐々に下がってきている感じもする。
できるだけ多くに人に賞金を出す傾向になってきている気がする。
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